はんなりアクチュアリー勉強記録

京都在住の大学院生がアクチュアリーに挑みます

アクチュアリーは死亡率の専門家であるべきか

日本アクチュアリー会 会報 第65号
P.327~330

<死亡率について考える>
アクチュアリーは死亡率の専門家であるべきか


Yes

  • アクチュアリーとしての大きな素養の中に、統計的なスキルがある。我々は与えられたデータを統計的に見ている。生命表の専門であっても、生命保険では経過年数が非常に重要な要因であり、年齢よりも影響が大きいぐらいだということはご存知ないと思います。したがって、生保アクチュアリーは生保の死亡率の専門家かと思います。
  • 実務を行っていると、法令や会計等の実務に関する知識は身につく。そのプラスアルファで、たとえば死亡率に詳しいとか、金利に詳しい、ファイナンスに詳しいなど、何かここだけは強いというアクチュアリーの中での専門性のようなものを各人が持ち、その中の一つが、死亡率なのではないか。


No

  • アクチュアリーはコンダクターでいい。それに基づいてジャッジ、まさにアクチュアリアル・ジャッジメントを下す。
  • バリュエーション・アクチュアリーとして、責任準備金を評価するというのが一つの使命とすれば、その評価に必要な様々な材料を少しずつ使いこなせないといけない。その1パーツが死亡率であって、それに深く精通していなくとも、その使い方や考慮すべきところを把握し、責準評価という業務に対してはしっかりと対応できるという程度の専門性が備わっていればいいと思っています。コンダクターであり、マエストロ。