確率と認知科学
確率の理解を探る―3囚人問題とその周辺 (認知科学モノグラフ 10)
- 作者: 市川伸一,日本認知科学会
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1998/05/01
- メディア: 単行本
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<はじめに>より
(略)
ところで、本書で扱う「3囚人問題」とは、恩赦になるか、処刑されるのかの運命が決まっている衆人が、看守からの情報をもとに、自分の助かる確率を求めるというものである。これは、数学的な解と人間の直観的な解が著しく異なる問題であるばかりか、数学的な解を説明されればその正しさは理解できるのに最終的な答えは腑に落ちないという、やっかいなシロモノである。しかも、それは数学の苦手な人や素人ばかりではなく、数学に相当自信のある大学生や数理的な仕事をしている専門家でも同様であることがわかってきた。
(略)
こうした難問は、確率判断における人間の直観的推論の特性を知るための手がかりを提供する。